「しし丸とモチ」         ’99年11月30日


しし丸の寝顔

 夕食はおでんにしました。
 と言っても、これはおでんの具を煮るだけですから実にかんたんなのです。
 「おでんの素」とかいう粉末のダシ汁もあったのですが、とりあえず昆布をなべに入れました。
 ついでにミリンやらお酒も適当に入れてみました。
 それから、家の向かいにある豆腐屋さんに行って油揚げを買って来ました。
 冷蔵庫に残っていたモチとシラタキを使って二品作ることにしたのです。
 油揚げを半分に切って、腹を開き、そこにモチを詰めたり、シラタキを詰めたりしたのです。
 油揚げの口をしばるのにカンピョウが無かったので、口が開かないようにツマヨウジで縫っておきました。
 ダイコンが煮えた頃合をみて色々な具を入れました。
 この頃からしし丸は妙にそわそわしていたのですが、夕食が終わって私たちがちょっと離れた隙にしし丸がテーブルに上がっていました。
 「こらっ、しし丸!」と叱ったら、ビックリしたらしくしし丸がくるっと振り向きました。
 あきれたことには、しし丸の口の端から溶けたモチが糸を引きながら垂れ下がっていました。
 モコやメリーはモチにまったく興味を示さないのですが、どうもしし丸だけはモチが大好きらしいのです。
 「モチをのどに詰まらせたりしなければいいんだけど」と、妻は心配そうに言っていました。    

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